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番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

皆既食の美しい姿を記録に残しておきたいと思う方もいるでしょう。
1眼レフでの本格的な撮影は、詳細を説明したよい本が出ているのでそちらを参照ください。

皆既日食を徹底的に楽しむためのDVD付きムック「皆既日食2009」
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/mook_ec2009/index-j.shtml

さて、このツアーで所有者が一番多いだろうと思われるコンパクトデジカメ(以下コンデジ)での撮影ですが、まずは見ろ! 正直にいえばコンデジで撮影するより後日発売される皆既日食を特集した天文誌を買ったり、TV番組を録画したほうがよい。

特に初めて皆既食を見る方は、撮影まで欲張るとパニックになりやすく、
なんだかわからないうちに皆既食終了なることが多い。とにかく見ることを目標にして、撮影は二の次と思ってほしい。

取扱説明書をもう一度よく読む。

機種によってかなり使い方が違いここで説明するのは難しい。
ご自分のカメラの取扱説明書をもう一度よく読んでほしい。


特によく読んでもらいたいのは、
1)フラッシュの項目で発光禁止モード。
皆既食にストロボを使っても何の役にもたたない。かならず発光禁止にしておこう。

2)露出補正。
皆既食は露出の幅が大きくどんな露出でも何かしら写る。露出を変えると印象が大きく変わる。
その為、露出補正しながら撮ることになる。
露出を補正しながら連続で撮れる、ブランケット撮影機能がついていれば積極的に使おう。自動化できるものは使ったほうがいい。

3)風景モード・MFモード。
MFがついているカメラなら∞(無限遠)にしておこう。ない場合でも風景モードがある機種もある。

4)連写モード
ヘタな鉄砲も数打ちゃあたる作戦。とりあえず枚数を撮っておこう。
まずは説明書をよく読み、お手持ちのカメラの性能を知り、できることとできないことを把握しておこう。

5)ズーム
スペックの水増しの為?に、光学ズームのほかにデジタルズームというのが大抵ついている。
画質が悪化するので、後でトリミングするか、トリミングズームを使ったほうがいいのだけど、露出があわない・ピントがあわないなどの場合は使おう。
部分食など太陽がある程度の大きさで写ってないとAE(自動露出)やAF(オートフォーカス)がきかないことが多いからだ。


6)測光(露出制御)
コンデジだと調整できるものは少ない。もしついていれば、中央重点露光やスポット測光にしておこう。
露光エリアに太陽をいれれば、AE(自動露出)でも適正な太陽像が写せる。


部分日食を撮る。

太陽の欠けている姿は比較的容易に写せる。
部分食を見よう(1)で書いたようにピンホールの太陽像(ピンホールカードや木漏れ日など)をスナップすればいい。
直接太陽を撮るには減光フィルターが必要だが、間に合わせとして日食グラス越しに撮るという方法がある。
ただし日食グラスは肉眼観察用の為、窓が小さく導入が難しい、またコンデジでは望遠が100mm前後までのものが多く小さくしか写らない。
この小さな太陽に露出をあわせる為に、前出の露出補正の操作が必要となる。
ちなみに太陽像を画面いっぱいに撮るには、35mm換算で2000mmの望遠レンズ(実際は撮影用の天体望遠鏡)が必要になる。

参考サイト。
http://kanotuno.at.webry.info/200907/article_4.html


皆既食を撮る。

皆既を撮る場合は、暗所でのカメラの操作用にヘッドランプ、三脚とできたらレリーズ(リモコン。接続できる機種は少ない)が必要。
最望遠側にして(35mm換算で600mm程度がほしいところ。コンデジの望遠は最高で200mm前後。通常で100mm前後とかなり小さくしか写らない。なおデジタルズームは使わないほうがよい。トリミングズームは可)
露出は-2露出補正を基準にして、補正値を変えながらバシバシ撮っていくしかない。
広角の28mm以上がついているコンデジなら、皆既と地上の観測風景をローアングルで狙ってみるのも一考。

いずれにしろ暗所でのカメラ操作となるので事前に暗所での操作に慣れておく必要がある。
慣れない暗所での操作は思いのほか手間取る。見るだけなら余裕のある6分間だが、撮るとなると短くあっという間に終わってしまう。

繰り返しになるが、とにかく見ることを目標にして、撮影は二の次でよい。
撮れたらラッキー程度に思って、三脚に固定して太陽を真ん中に入れたら、あとは皆既食を眺めつつ
ノーファインダーでシャッターを押すのをお勧めする。



menubotton.jpgメニューボタン
コンデジは意外と多機能。使っていない機能も多いはず。
まずは、説明書をよく読んで自分のカメラの性能を知ることだ。

 

 

 

hakkokinshi.jpg発光禁止と露出補正。

最低でもこの二つの機能の使い方は憶えておきたい。

 

 

 

taiyoookisa.jpgコンデジで太陽の大きさ。
コンパクトデジカメでは、望遠でも100mm前後のものが多く太陽を大きく写せない。
また逆光の液晶ファインダーはみずらく、撮れてるかどうかかなり怪しいので連写モードで枚数を撮っておこう。


 

 

nisshokuglass.jpg日食グラス越しに撮る。

部分食はフルオートのコンパクトデジカメは、露出補正をしてもデジタルズームを使っても撮れない場合が多い。
そんな時は日食グラスを離して上の写真のようにして撮ってみると案外うまくいく。もちろん露出補正は必要。

 

 

 

双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

山内壮介