アンコール・トム 2 遺跡群 <癩王のテラスなど>
癩王のテラス (TERRACE OF LEPER KING)
象のテラスの北側にある、高さ6mのテラス。壁面には余すところなく美しい女神や神々が厚肉彫りで彫刻されています。これは世界の中心にあるといわれる須彌山の何段もの層に住む神々や動物などを具象化したもので、テラス上部には、癩王の像といわれる彫像(複製品)が置かれています。(オリジナルはプノンペンの国立博物館に展示)この癩王像のモデルについては、ヤショウヴァルマン1世とも地獄の神ダルマラージャ(閻魔大王)とも、マハーデーヴァ(最高神)ともいわれ諸説は様々ですが定説はありません。小説家三島由紀夫の戯曲「癩王のテラス」では、この像のモデルをこのテラスを造ったジャヤヴァルマン7世としています。
癩王のテラス・南面
プラサット・スウル・プラット (PRASAT SOUR PRAT)
象のテラスからのプラサット・スウル・プラット
王宮前広場の象のテラスに向かい合ってラテライトを積み上げた塔があります。テラス中央部から勝利の門へ通じる道を対称軸として南北に各6基ずつ、計12基あるこの塔がプラサット・スウル・プラット通称「綱渡りの踊り子の塔」です。この名の由来はカンボジア正月に塔から塔に綱を渡し踊り子達に綱渡りをさせたのを王がテラスから見物したためといわれています。またこの塔の両端裏にクリヤン(倉庫)と呼ばれる建物があります。これらは、南北対称に位置しそれぞれ北クリヤン、南クリヤンと呼ばれています。現在、プラサットスウプラットは日本政府アンコール遺跡救済チームにより修復工事がおこなわれています。
テップ・プラナム (TEP PRANAM)
癩王のテラスを少し北に行ったところに、西に入るテラスの参道があります。 左右にシンハ (獅子) が配された中に進むと、神蛇ナーガの欄干が点在するテラスに達します。現在は、台座以外はなにも残されておらず、後世になって持ち込まれた仏象があるだけで、訪もれる人も少ない寺院です。
プリヤ・パリライ (PREAH PALILAY)
テップ・プラナムの奥の道をたどる神蛇ナーガの欄干が2重に取り付けられたテラスに出ます。正面に高さ約3mの大仏象があります。 その後方には大門があり、上部には美しい彫刻が残っています。
プリヤ・ピトウ (PREAH PITHU)
テップ・プラナムのちょうど反対側にある遺跡。プリヤ・ピトウは2つのテラスと5つの聖殿からなり、第1の聖殿は向かって右側の北クリヤンに最も近い建物で、この聖殿の手前には砂岩で出来たテラスが設けられています。
作成 : 2007年06月
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